Qualcommとの和解の功罪
「5G化」を目指し,背に腹は代えられない…という考えでQualcommとの和解を成し遂げたApple。
Qualcommの「完全勝利」といった様相を呈していますね。
また,Qualcommは,どうやらモデムだけではなく,その他の分野でもトップクラスの技術力を保有しているようで,Appleの今後の戦略にも,少なからず影響を与えそうだということは,以前に記事にさせていただきました。
しかし…。
当然Appleにとって都合のいい話ばかりではないわけで…。
AppleデバイスにQualcommの製品や技術を取り入れるということは,その部品代金や技術料を支払うということに直結します。
そのあたりの「大人の事情」について心配する記事が来ています。
ライセンス料が「値上がり」に繋がったら死活問題
記事によると,AppleはQualcommに対して,2種類の支払いを行うことになるようです。
それは,
50~60億ドル(約5600~6700億円)
②今後iPhone一台あたりに支払うライセンス料
8~9ユーロ(約1000~1100円)
逆に,これが原因でiPhone本体の値段が上がる…としたら,Appleの企業としての姿勢が問われます。
※5/1付の9to5Macの記事では,$4.5Bという情報も流れてきています。いずれにせよ膨大な額です。
Qualcomm says it expects revenue of $4.5B from legal settlement with Apple https://t.co/ivFEGFNVm6 by @ChanceHMiller pic.twitter.com/W973SASGJM
— 9to5Mac.com (@9to5mac) May 1, 2019
また,②に関しても,前掲の記事では,
ということですので,差額の数百円は,さほど大きな影響を与えるものではないと考えます。
しかし,ここで強く主張したいのは,
ということ。
いや,むしろ,
「値下げするべきである!」
ということです。
「魅力的な機能アップがないのに価格が高止まりしたこと」
に尽きます。
Qualcommとの闘争を「言い訳」にしない勇気を!
Appleには,Qualcommとの法廷闘争を,「言い訳」にしない勇気をもってもらいたいと思います。
端末価格高騰の言い訳,最新技術導入の遅れの言い訳…。
それらをApple自身がしっかりと背負い込んで,なおかつ,ユーザーが満足できるデバイスを届けてくれることを,心から願います。