風向きが変わるつつある「TouchID内蔵ディスプレー」への考え方
先日は，Samsungが「指紋認証内蔵ディスプレーを捨てる」という記事をご紹介しました。
やはり指紋認証機能をディスプレー内部に埋め込み，指との直接接触なしで高度な認識を行うことは相当に難しいことなのでしょう。ここまでAppleがTouchID内蔵ディスプレー関連の特許を数々申請してきたことも，本ブログでご紹介してきましたが，未だにiPhoneで実現できていない理由も，このあたりにあるのでしょう。また，Samsungは異なり，「絶対の自信がもてないものは製品化しない」という，Appleのポリシーが関わっていることも，当然ながら予想されます。
技術的な壁からか，これまでの「TouchID内蔵ディスプレー+Face ID」という「W認証システム」に目を向けていたAndroid勢がこぞって「Face ID」への一本化に向かいつつあります。Samsungだけでなく，GoogleもPixel4ではFace IDオンリー…。
これ，Appleにとっては思わぬ「追い風」のなのではないでしょうか？
こと「Face ID」に関しては，Appleの3D Depthカメラとその認証精度がAndroid勢を凌駕している…ということはこれまでも伝えられてきました。「適わない…」と考えたからこそAndroid勢は「W認証システム」に逃げていたわけですが，ここにきて逃げ道を失ってしまったわけです。
ということは…。
ここでもしAppleがこれまで温めていた「TouchID内蔵ディスプレー」を送り出すことができたら，一気に市場の趨勢が変わる事態にもなり得ます。
このAppleによる「TouchID内蔵ディスプレー」について興味深い記事が来ています。なんと，初の「TouchID内蔵ディスプレー」はAppleWatchに搭載されるかもしれないというです。
またしても「Watch」から始まるのか？
記事では，この度の特許について，
①Apple Watchのアンテナ（Wi-Fi、セルラー，Bluetoothを含める）をバンド内に移動させ，他のパーツやより多くのバッテリー容量を埋め込む
②「Apple WatchのディスプレイはTouch IDをサポートするかもしれない（Apple Watch Display may Support Touch ID）」との記載が確認できる
という記されています。
「Touch ID」についてももちろんですが，「アンテナ関係」をバンド内に移動させるというアイデアは初めて聞きました。どうにかして内部のバッテリー容量を確保しようというAppleの意図を感じます。Series5で問題視されているバッテリーもちに関して，頭を悩ませている証拠か？
肝心の「Touch ID」に関しては「may」ですので，決定力に欠けますね。選択肢の1つというところか？
しかしこの話題に関連して思い出すのが，
「デジタルクラウンやサイドボタンを物理式ではなく現行iPhone8のような触覚フィードバック式にした上で，サイドボタンにTouch ID機能を搭載する」
というSeries3時代からまことしやかに囁かれる噂です。
以前の情報では，今年発表されたSeries5あたりでTouch ID化が図られる…ということでしたが，残念ながらそこには至りませんでした。
個人的には，サイドボタンにTouch IDを…という考えは悪くないと今でも考えています。しかし，もし今回の記事の内容が本当であれば，Appleとすれば一気に「Touch ID内蔵ディスプレー」を狙っているのかもしれもせんね。
そして，そうなると…。
更に頭を過ぎるのは，「またしてもWatchから始まる…」という思いです。
有機ELのディスプレーもWatchから始まりました。そして後にiPhoneXへと流用されたのは記憶に新しいところ。昨今では，「MiniLED」という新しいパネルを，近いうちにWatchに採用するという噂も出てきています。当然こちらも，いずれはiPhoneへと転用されることでしょう。
だとすれば，今回の「Touch ID内蔵ディスプレー」も，最初はWatchに搭載し，後にiPhoneへ…というシナリオをAppleが描いていても何の不思議もありません。
来年度のWatch，iPhoneは大変革の予感！
来年度のiPhone12は，筐体デザイン，5Gへの対応など，ビッグチェンジになる模様です。また，AppleWatchに関しても，Series5での変化があまりにも少なかったことから，大変革させると，私は予想しています。
もしかすると変革の中に，「Touch ID内蔵ディスプレー」が含まれているのかもしれません。Watch自体の認証はもちろん，MacやiPhoneでのApple Payの認証等，様々な割り付けを行えそうなこの機能。できるだけ早く実現し，さらにはiPhoneへの転用を図ってもらいたいと願っています。
