先代の絶望的なバッテリーもちは改善されたか?
ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless 2」のレビューをしています。
これまで,「ファーストインプレッション編」「取って出しの音質編」「ノイキャン性能編」「音質評価編」ときまして,今回が第5弾。
「バッテリーのもち + 新たな提案編」です。
先代の「MOMENTUM True Wireless」は,音質は特筆すべきものがありましたが,なんといってもダメダメのバッテリー管理。何も使っていなくても1週間でバッテリー残量が「0」って,ゼンハイザーもよくぞ製品と発表したものだな…と思うレベルです。
当初はファームアップ対応等で何とかなるものかと考えていましたが,ゼンハイザーが「仕様です」と答えてしまったのですから「詰み」ました。
上掲の記事に詳しく書いてあるのですが,私の問い合わせに対して届いたゼンハイザーからの本当がこちら。
プレーヤーとの接続性を優先するために,常に電力を「垂れ流す」仕様になってるとのこと。苦しい言い訳です。「名門」の説明とすれば,「製品化しちゃダメなんじゃないの」というレベルですよね。
音質は最高ですが,常にバッテリー残を気にしながら使用しなくてはならないという,超問題児だったわけです。先代「MOMENTUM True Wireless」は。
バッテリー管理は改善!(当然!) さて,提案です
すでに多くのレビュアーの方々がおっしゃっているとおり,「2」になってバッテリー管理はようやく真っ当なものになったようです。
使えば減る。
使わなければ減らない。
はい,当然でございます!
加えて,イヤホン本体のバッテリー持続時間,充電ケースのバッテリー容量が双方ともに増加したことで,バッテリーに関する心配は払拭されたといっていいでしょう。
この点に関しては一気に問題がクリアになりました。
そして…。
唯一残ったのが,先日もお伝えした「音質」の問題。
あれ以降,エージングを重ねました。
先代のエージング時間を大きく上回る形で試してみたのですが,残念ながら大きな変化は見られませんでした。
僅かばかり,「低音-中音-高音」の分離が進み,見通しがよくなったような気もしますが,先代のような開けた音場は期待できず,相変わらず中央付近でこぢんまりと固まってる印象を受けます。
また,沈み込むような低音の不足も相変わらずで,先代の最大の特徴であった全体を落ち着かせ,空気感・艶感・厚みの大元になっていた部分がそぎ落とされた印象もそのまま。
それに伴って,中音域の引っ込みが目立つようになり,ボーカルが下がったように聴こえます。
音の素性としてはゼンハイザーのそれですし,素材は悪くないのですが,いかんせんリスニングで聴かせる上での「音の全体像」の魅力という部分で,大きく後退したと感じます。
本当に残念です。先代の方が魅力的に聴こえるなんて…。
そこで考えました。そして,これが提案ともなります。
先代に当たる「MOMENTUM True Wireless」の活用を進めてみてはどうでしょうか?
どういうことかというと,先代をすでに持っている方は,そのまま先代をメイン機として使用し続けるというもの。
さらに,先代をもっていない方は,中古等で安く手に入れ,最高の音を楽しむ…ということです。
もちろんそこには,
「最悪のバッテリー管理と付き合っていく」
という覚悟がいります。
しかし,「最高の音質」にこだわるのであれば,今回ばかりは最新機種よりも先代の方が遙かに幸せになれるのではないかと考えているところです。
本来であれば,「MOMENTUM True Wireless 2で決まり!」と宣言したいところでしたが,残念です。
次回は,「EAH-AZ70W」「MOMENTUM True Wireless 2」という,今年の本命と言われた機種のレビューを振り返り,今後の展望を考えてみたいと思います。
この2機種に関しては,複雑な思いでいっぱいですが…。