が〜ん,盛大に発熱するやん!
AirPowerが果たせなかった,「どこにでも置ける」「複数台のデバイスを同時に」という充電の夢を果たした「NOMAD Base Station Pro」。
前回は,「好きな場所に,最大3台まで」という条件をしっかりと満たすことを確かめました。
さあ,後はこれまでのQi充電マットでの最大の何巻である「発熱」です。
気にしすぎ…と言われるかもしれませんが,どうも嫌なんです。満充電になっているのに加熱が止まらず,デバイス本体が熱々状態になっているのが…。
ケーブル充電であれば,満充電後の過充電は抑えられ,当然本体が熱くなることもないわけで…。
この不満点に,「MagSafe」はある程度満足のいく「解答」を出してくれています。
これまでに試したQi充電マットよりは,明らかに発熱具合が穏やか。
今回の「NOMAD Base Station Pro」には,当然MagSafeと同等か,それ以上の期待を込めていました。
しかし…。
結果は…。
しっかり発熱するやん!
売りの「パワーコイルマトリックス」の意義とは?
この「NOMAD Base Station Pro」の充電における最大の売りは,「デバイスの充電部分をAIが感知し,周辺にある小型コイルが共同して「仮想の電磁場」(スイートスポット)を作成する」というパワーコイルマトリックス。
つまり,周辺のコイル全体が作動するのではなく,充電に適切な「スイートスポット」をAIの力によって仮想的に作成することで,効率的に充電するとともに,発熱を抑えようという考え方です。
しかし,実際に「NOMAD Base Station Pro」で充電を行ってみると,マット上の結構な広範囲が加熱していることが確認できました。「スイートスポット」といいながら,この過熱ぶりが限定的ではなく,広範囲に及んでいるようです。
また,発熱量がかなり大きく,本体裏側まで結構な熱を帯びていました。
製品の解説では,「発熱量を抑えた」という文言もあるのですが,実際は期待はずれ。これではマット全体に熱が広がり,充電仕様とするデバイス全体を温めてしまいます。
冬に差し掛かったこの時期,アルミで覆われた通常時の本体は,実にひんやりとしています。しかし,充電時や充電後に触ってみると,がっかりすることになります。
さらに…。
「満充電後も加熱され続ける」という,Qi充電マットの最大の欠点が全く克服されておりません。充電中の加熱であれば,ある程度納得できるわけですが,本製品も,これまでの多くのQi充電マット同様,マット上にデバイスが載っている限り延々と一定量の加熱が続いてしまうタイプのようです。
これが嫌なんですよね。特に私のように就寝中に充電するユーザーからすると,満充電後のかなりの時間,加熱され続けてしまうことになります。
「満充電」を感知したら,作成した仮想電磁場を解除するという構造にはできないものなのでしょうか?
そのための「AI活用」なのでは…?
「MagSafe」の有効ぶりを再認識!
本製品は,ファームウェアアップデートによって機能を充実させていくことができるという特徴をもっています。
よって,この問題が今後解決される可能性がないわけではありませんが,この「発熱」「満充電感知」という件に関しては,Qi充電マットの「本質」的な部分であり,ファームウェアアップデートで対応できる代物ではないと考えます。
だとすれば…。
「NOMAD Base Station Pro」の「どこにおいても…」という利便性をとるか,「MagSafe」の発熱を抑えた充電をとるか…という二者択一を迫られますね。
現状であれば,私は「MagSafe」をとります。
朝起きたときに,熱くなったiPhoneを手にするのがどうしても堪えられません。
「MagSafe」の満充電後の処理に関して技術的なことは全く分かりませんが,本体の小ささが影響しているのかな…とも考えます。あの小さい筐体の中に画期的な技術が投入されているようにも思えませんので…。
「NOMAD Base Station Pro」のような大きめのサイズのQi充電マットでは,どうしてもコイルの影響がデバイス本体全体に影響しますが,「MagSafe」はiPhone本体の中央部だけあてがうタイプ。本体の発熱がiPhone本体に及ぼす影響が抑えられるということなのでしょうか?
だとすれば,「どこに置いても」というタイプの充電マットで発熱を抑えること自体が難しいことで,小型で背面に貼り付けるという選択をしたAppleの考え方が「発熱を抑える」ためにはふさわしかったということになりますね。
装着の手間暇や,レザーケースに円形の跡が付くといった欠点も明確に存在する「MagSafe」ですが,「充電」という本質においては,勝っている部分があるということなのかもしれません。
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