ドラマの硬直化が止まらない!
2020年のテレビドラマ界は,コロナに引っかき回された印象が強いですね。
放送が延期になったり,回数を減らして週末を迎えたり…。日程調整が非常に難しかったのではないでしょうか?
そんな中で感じたのが,「恋つづ」「わたナギ」「半沢」「恋アタ」等のTBSの強さです。さすが「ドラマのTBS」という強い印象を植え付けました。
数年前は医療もの,そして現在は刑事もの…。
まあ,どうしてこんなに同じものが作れるのか…とあきれてしまうくらいに,現状のゴールデン1時間枠のドラマはどれも似通ったものが多くなってしまっています。
特にテレ朝の片寄りが異常なほどですね。
まあ,刑事ものに関しては,安い予算で安定した視聴率をとれる…という安直な考え方なのでしょうが,いくら何でもひどすぎです。
個人的には,ごくオーソドックスな「刑事もの」というだけで拒否反応を起こすようになってしまいました。ストーリー性が似通いすぎて,楽しめなくなってしまったというか…。
せっかくの「ゴールデン1時間枠」であるはずなのに,制作側が冒険ができない状態になっているのが,こちら側にもしっかりと伝わってきてしまいます。正に「硬直化」しています。
また,どうも脚本も安易なものが多く,ストーリー展開に面白みが欠けるというか…。見応えがないというか…。
これではテレビ離れが進み,Netflix等にドラマの楽しみを求めてしまう若者が増えるのも納得です。
そんな中でもTBSは,他局との違いをアピールできている上に,脚本,役者の選定が非常に上手な印象を受けます。
話題にもなり,視聴率的にも検討しているのが納得できる出来。明らかに他局よりも頭ひとつ抜けていますね。
さて,そんな中で迎えた2021年第1クール。
やはりTBSの強さが目立ちました。
「恋つづ」に続く上白石萌音主演で,結構厳しい前評判の多かった「ボス恋」は,個人的には非常にテンポ良くストーリー展開も秀逸で,継続視聴決定です。「恋つづ」ほどの甘々ではありませんが,上白石さんの前向きさが活かされていると考えます。
また,久々の綾瀬はるかさん主演で話題の「天国と地獄」。
犯人と刑事が入れ替わってしまうという突拍子もない展開と,綾瀬さんの「刑事役」というこれまでに無い設定が,彼女の新境地を予感させます。
「ウチの娘は,彼氏ができない」にも期待しましたが,恐らく視聴率は上がらないでしょう。明らかに菅野さんと浜辺さんの演技力に問題があります。ガチャガチャしているだけで余韻がないというか,深みがないというか…。
期待は「虹色カルテ」でしょうか?
高畑充希さんがどのような味を出すのかが楽しみではあります。
ただ,メインの3人の絡みからすると,しっとりさが足りないようなきもしますが…。どうなるでしょうか?
…と,総じて前述した「硬直化」を打ち破ろうとする意思は感じますが,魅力的なコンテンツが揃っているとは言えないような気もするわけです。
しかし…。
深夜枠に視野を広げると,そこには様々な冒険心溢れる野心作が揃っているわけで…。
もしかすると「深夜枠」「30分」というキーワードが今後を変えていくことに繋がるかもしれません。
「甘々」「超シュール」で振り切れる魅力
深夜枠のドラマというと,いくつかの傾向に分けられると考えます。
その王道が,「甘々」と「シュール」なのではないでしょうか。
最近のMBSドラマは,「ドラマイズム」で甘々路線,「ドラマ特区」で若者向けのシュール路線という,明確なコンセプトをもって製作しているのが分かります。
個人的には結構いい出来になっていると思いますし,「30分」という放映時間が,非常に癖のあるドラマを観る上でなんとも心地いいスパイスになってると考えます。
テレビ東京の「シュール」はこちら。
教師の殺人事件に対し,毎週「私が犯人です」と自首してくる生徒を,主人公が「あなたは犯人ではありません」と,逆推理していくというこれまでにない展開。
第一話,振り切っていてなかなかおもしろかったです。
ABCは甘々で。
付き合っては危険…と言われる3B「バーテンダー」「美容師」「バンドマン」との共同生活を描くという「3Bの恋人」。馬場さんは,この手の「甘々ドラマ」では実績十分ですね。この甘さも1時間ではくどいけど,30分だったらちょうどいい…という感じです。
今クールは,テレ朝も,土曜日11時台で「30分ドラマを2本」という新たな試みを始めます。さて,どのような結果になるか?
個人的には「モコミ」の小芝風花さんに期待!
「連続ドラマ」ですので,
「早く次が見たい!」
「次の展開が楽しみ!」
と思われてなんぼだと思うのです。
30分ドラマには,その部分で大いなる魅力があります。
その裏側には,単なる視聴率偏重にならずに制作できるという思いっきりのよさがあるのではないでしょうか?