2021年は,PCのSoC化が顕著になる?
以前,Intelの新チップ「Rocket Lake-S」に関する情報をお届けしました。
チップの高精細化の面で行き詰まり,大きな性能向上が難しくなっているIntelチップについて,その立ち位置の不透明さが心配になるばかりですね。
この度,欧州での予定価格も出たようで…。
最上位チップは6万円超えと,なかなかのお値段ですので,今後登場する高性能Apple Siliconとのバランスによっては,Intelの足下が大きく揺らぎそうな予感さえします。
さて,そんな中…。
Qualcommが,M1チップ対抗のSoCチップを開発している…という情報が出てきました。
果たしてQualcommチップはApple Siliconのライバルになり得るのか…?
そしてIntelの行方は?
ガチンコの勝負に持ち込むことができるか?
記事によると,
米クアルコムがアップルの「M1」チップに対抗しうるPC向けSoCを開発中との噂が報じられている
このチップは,社内コード「Snapdragon SC8280」。開発はどの段階かは不明ながら,Snapdragon 8cxおよび8cx Gen2(記事執筆時点ではクアルコム製のPC向け最速チップ)後継製品である模様
とのことです。
従来の「Snapdragon 8cxおよび8cx」が,14インチのPCに搭載されているチップということですので,その後継であれば,正にMacBook系と正面からぶつかるチップということになります。
問題は,性能的には高性能Intel「x86」系CPUを脅かす部分もあるほどの「M1」と,同じ土台で語られるほどのパワーを持っているかどうかですね。
記事中にもあるように,開発段階でのApple SiliconとQualcommのSocチップの性能は,ダントツでApple Siliconの勝利…という結果ですので,果たしてどれほどの「上積み」ができているのかが気になります。
また,「M1」だけをターゲットにしていては「間に合わない」という現実が,Qualcommにはありますね。
あくまでもM1はエントリークラスのチップ。Appleとすれば,むしろ今後登場させるであろうハイパワーなApple Siliconが「本命」でしょう。
Qualcommとすれば,これらの超高性能Apple Siliconとどう向き合うのか…ということまで考えた上での「Appleとのバトル」にしていかなくては,「ガチンコの勝負」とはなり得ません。
スマホ向けのSoCにおいては,どうしても「Aチップの方がSnapdragonよりも高性能…」というイメージがありますし,実際にそのように歩んできました。新技術をAndroidに奪われ始めたiPhoneの拠り所は,無双のパワーをもつ「Aチップ」という部分もありましたし…。
逆にAppleの立場からすると,この部分だけは絶対に譲れないと考えているのではないでしょうか?
SoC搭載PCの波が来るのでは?
本ブログでは,これまでも,
「Apple Siliconがこれだけ優秀なのであれば,x86系のアーキテクチャからSoC中心へと,PC界の構造が変化するのでは?」
と捉えてきました。
Intelチップの停滞,Apple Siliconの圧倒的なパワー…。
これに加え,他社メーカーが続々とSoCチップの製造に力を注ぐようになれば,雪崩を打って動き出すということも考えられます。
まあ,特にビジネス関係では,過去の遺産の活用が絶対的に必要であることから,しばらくの間はせめぎ合いが続くとは思いますが,この動きをコンシューマ向けPCが凌駕するようであれば,これまでの「Intel帝国」が崩れ去るシナリオも見えてくるのではないでしょうか?
折しも,IntelもSoCチップ製造に向けた歩を進めた…という情報もありました。
2021年の,SoCチップおよびIntelの動向からは,目を離せそうにありません。