「M1」,「A14」,「Snapdragon 888」の性能差やいかに?
「M1」を搭載した新型iPad Proが発売され,様々なレビューが出されています。
肝心の「M1」に関しては,おおよそこれまでのM1搭載Macと同等のベンチマークが出ているようで,正に「Macと同等の性能」のiPadが誕生したことになりますね。
そして,ベンチマークの比較をするにしても,これまでは「対Mac」で見ることが多かったのですが,この度,「A14Bionic」「Snapdragon 888」との比較をした動画が公開されました。
突き抜けた性能のiPad Pro
記事によると,
スマートフォンのレビューやテスト結果を公開してきたゴールデン・レビュアー氏(@Golden_Reviewer)が,新型iPad Pro搭載のM1チップと,iPhone12シリーズのA14 Bionic,Lenovo Legion 2 ProのQualcomm Snapdragon 888とで各種ベンチマークテストを実施し,比較結果を報告した
ということです。
有名どころのベンチマークで比較してみると…。
Geekbench 5では…
M1が,A14をベースとして製造されている…ということは皆さんがご存知のことと思いますが,M1が正に「マルチ」の部分を向上させることに特化したチップであることが,A14との比較で分かりますね。A14のシングルスコアは大健闘といってもいいでしょう。
対して,Snapdragon888は,マルチ,シングルともに大きく水をあけられる結果となりました。
次にAntutu…。
このAntutuは,これまでの経緯からするとAppleのAチップのスコアが伸びにくい傾向が続いているベンチマークソフトです。
今回の検証でも,「A14」と「Snapdragon 888」で考えるとSnapdragonの方がスコアが高い結果。しかしM1では,このAntutuでも大きく他を引き離すスコアをたたき出しました。
もはやベンチマークソフトと相性がどうの…という問題ではないくらいの差があるということでしょう。
記事内では,他にも「GFXBench」「3DMark Stress Test」でのスコアも掲載されていますが,Geekbench,Antutu以上にM1の優位性が顕著となる結果でした。
これがこれからのスタンダード?
M1の性能は素晴らしい…という結果はよく分かりますが…。
そもそも,このM1はMacに搭載されているチップです。
そう,今回の検証は,新型iPad Proを介して,スマホとPCの性能を比較している…という,これまでにはなかった視点での比較を目の当たりにしているということに他なりません。
これまでの常識であれば,当然スマホやタブレットとPCのチップの性質そのものが大きく異なっていましたし,当然PC用のチップの方が高性能…という感覚が正常なものでした。
しかし,この度M1がiPad Proに搭載されたことにより,PCとスマホとの性能差を意識しなくてはならないという,これまでにはない視点を持ち合わせる必要性が出てきたわけです。
そして…。
IntelもSoCチップに参入する…というニュースが時勢を考えると,今後も,
「スマホやタブレットとPCに同一のSoCチップが搭載される」
という事例が急速に広がっていく可能性が高いと考えます。
いや,むしろ,現在Appleが取り組んでいる「AppleSilicon Mac」の動きが成功するのであれば,こちらの方が主流となってくることだって考えられるわけです。
個人的にも,新型iPad Proに搭載されるチップが「A14X」ではなく「M1」だと知ったときには非常に驚きました。
もしかすると数年後には,
「2021年のiPad ProにM1が搭載された時点から新しい時代が始まった」
と評価されるときが来るかもしれません。