LTPOの生産拡大は何を意味する?
iPhone13シリーズに関しては、6.1、6.7インチProの両機種に120Hzのハイリフレッシュレートディスプレイが搭載されると、もっぱらの噂です。
このディスプレイは、OLEDに低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)技術を加えたものであり、消費電力を大きく抑えることができることから、現在はApple Watchに採用されています。
そして、そのWatchが実現している「常時表示」が、iPhone13 Proの2機種でも実現されるのでは…という見方が支配的になってきています。
そして…。
このApple用LTPOの生産が、今後の数年で大きく拡大する…という情報が来ています。
これは、今後のAppleデバイスの動向を知る上でのヒントになるのではないでしょうか?
iPhone、iPad、将来的にはMacも?
記事によると、
Patently Appleがサプライチェーンからの情報として、LG Displayは2022年から2023年にかけて有機EL(OLED)ディスプレイの生産数を50%増加、その中で低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)ディスプレイの生産数を5倍に増やすと報じた
ということです。
スマホに関してはライバル関係でありながら、ディスプレイに関連してはどうしてもお互いを切れないという、実におもしろい関係性にあるのがAppleとSamsung。
近年は、Samsung一択とも言えるほどの蜜月が続いてきました。
そんなSamsungが、LTPO生産に力を入れているというのですから、今後の変化がうかがい知れるというもの。
また、iPhone13 Proに関してはSamsungの独占となりそうですが、2022年以降に向けて、LGやBOEも動き出しているという情報が非常に興味深い点です。
つまり、2022年以降は、恐らく無印iPhoneにもLTPOが採用され、全てのiPhoneで常時表示が可能になるのではないでしょうか?
そのためには、Samsungだけではない供給元が必要…と考えると、この急速なLTPO生産網の拡大にも納得がいきます。
更に…。
これに以前噂のあった「iPad ProへのOLED搭載」という情報が加わることで、Appleの戦略が見えてくるような気がします。
つまり、
〇iPhoneに関しては、2022年までにiPhoneSEを除くフラッグシップ機全てにLTPOディスプレイを搭載する。
〇iPadに関しては、2022年以降、LTPOディスプレイ化を進めていく。(無印は除く?)
ということなのでは?
問題はMacですね。
MacBookPro14/16インチに関しては、MiniLEDの供給不足が原因で発売が延期になっている用です。今後MacBook系、iMac系、新型純正ディスプレイにもMiniLEDが搭載されるので使用か?
そうなると、OLED化するのにはまたしばらく時間を要することになりそうです。
OLED化が望ましい!
本ブログでは、以前から、
「MacやiPad等、長時間画面を見つめることが多いデバイスほど、OLEDにすることが望ましい」
と唱えてきました。
視認性のよさ、目の疲れの軽減、色再現性等、やはりOLEDの方が優れている点が多いように思います。
コスト、生産上の歩留まり、焼き付き、製品寿命の長さ等、課題はあるOLEDでしょうが、そろそろOLEDも「当たり前に使える素材」になっててきていると考えます。
Appleあたりの企業が思い切りよく液晶からの切り替えを行うことで、一気にスタンダードが切り替わっていく…という可能性もあるでしょう。
そろそろその時期に差し掛かっているのではないでしょうか?
出番ですよ、Appleさん!