個性を放つ女優陣が目立つ7〜9月期ドラマ
皆さんは、7〜9月期のドラマをどのように楽しんでいますか?
個人的には、最近のゴールデン枠のドラマは、作品的に非常に停滞しているように感じています。
内容的にも冒険しているものが少なくなっている印象ですし、ストーリー的にも最初から想像できるようなものが多くなっている感を受けますし…。
また、どうしても「刑事もの」「医療もの」等、ジャンルにも片寄りが生じているのも気がかり。この片寄りのためか、この2ジャンルには距離を置こうとしてしまう自分がいたりします。
今クールも、「ナイトドクター」「TOKYO MER」が視聴率的には評判のようですが、私は興味が湧きませんでした。
逆に、今クールで特徴的なのか、個性的な女優陣の奮闘ぶりです。
二階堂ふみさん、戸田恵梨香さん、永野芽郁さん、小芝風花さんらが、その魅力を十二分に発揮している印象です。
作品的には不作なれど…
しかし、不幸なことに彼女たちの出演しているドラマが、作品的にはどれもぱっとしないというか、先が読めているというか…。もう一段深みをもたせる脚本が書ければ、彼女たちの魅力が更に輝くのに…という思いが強いものばかりです。
二階堂ふみさん主演の「プロミス・シンデレラ」。
新婚早々浮気され、家を飛び出したものの無一文になり、あげくの果てに借金を背負う羽目になった女性が、金持ち高校生に翻弄されながら借金を返済していく…という、かなり無理のある設定のドラマ。
これまでの「火曜・10時枠」からはちょっと逸れた傾向のラブコメものです。
このストーリー設定と、「どうせ最後はこの高校生とくっつくんでしょ?」という先が見える展開により、視聴率は7%台と振るいません。恐らく、今後も跳ねることはないかと…。
しかし、二階堂さんの演技力には圧倒されます。
彼女のコロコロと変わる表情と「目力」は、それだけで観ているものを惹き付ける魔性さえ感じます。
このドラマ、二階堂さんの演技を観るためだけでも、「価値あり」と判断しました。
戸田恵梨香さんと永野芽郁さんがW主演する「ハコヅメ」。
新人警察官である永野さんと、訳ありの超優秀警察官である戸田さんが交番勤務でペアを組むことで、永野さんが成長していくというドラマ。
まあよくあるストーリーですし、内容的にもライトでコメディータッチではあるのですが、「懸命さ」を表現させたらピカイチの永野さんと、影のある先輩役をこれまでとは異なる演技でこなす戸田さんの魅力満載のドラマとなっています。
戸田さんとムロさんという、「大恋愛タッグ」の絡みも嬉しく、ドラマの内容とともにキャスティングを楽しむ…という趣向もありかと。
生き生きとした演技…という範疇であれば、永野さんの右に出る者はいない…と思わせるドラマとなっており、今後も2人の掛け合いを楽しめそうです。
小芝風花さんが、小学生時代に別れた幼なじみとの再会を告げることができずに苦しむ、ラブコメ・お仕事もの「彼女はきれいだった」。
小芝さんは、どこか薄幸でいて、それでも健気に頑張る…という役どころで最大限の魅力を発揮できる方だと思います。観ていてその演技に嫌みが無く、素直に応援したくなるというか…。
これまでの「妖怪シェアハウス」「もこみ」でも同様の役柄でした。今回は、「妖怪シェアハウス」同様のコメディアンヌぶりを発揮しています。
相手役の中島健人さんの演技力が非常にマイナスに働いているのが気になりますが、単純に小芝さんの魅力に引き込まれていく作品になっています。
それでもまあ、今後のストーリー展開はバレバレですし、作品のできとしては物足りなさは残りますが…。
「推し」でドラマ選択する時代?
今クールのドラマで感じたのは、
「"推しの俳優"でドラマを選ぶ時代」
が来たのかな…ということです。
もちろんこれまでも、お気に入りの俳優陣が出演するドラマには超目してきたわけですが、現在のドラマの「硬直状態」では、今後も作品自体の魅力・バリエーションという点で視聴者を惹き付ける…ということが減って行くであろうことは予想が付きます。
つまり、より一層横並び的になっていくということ。
作品自体のバリエーションであれば、今クールも深夜枠の30分ドラマの方が余程面白みがあります。
「サレタガワのブルー」「お耳に合いましたら。」「八月は夜のバッティングセンターで。」「ただ離婚してないだけ」「来世ではちゃんとします2」等…。
ゴールデンよりも深夜枠がおもしろい…なんて、このねじれ具合が、最近のドラマが盛り上がらない原因を象徴しているようにも思うのですが…。