「3nmプロセス」は2023年に間に合う?
TSMCによる3nmプロセスチップの開発・製造が遅れている…という噂は、これまでも数多く上っていました。
しかし、最近になってようやく「試作」段階にまで進んだという情報があり、今後の供給に向けての目処が立ちそうな雰囲気です。
これまでのチップ開発においては、「Aチップ」という範疇でiPhoneとiPadのみを考慮すれば良かったのですが、Mac用Apple Silicon「Mチップ」もその大元はAチップに辿り着くことから、今後はiPhone・iPadとMac双方の投入スケジュールや性能のバランスをとっていかなくてはならず、Appleにとっては大変難しい舵取りが要求される曲面になってきたと感じます。
実際、先日は「Mac用Mチップは、18ヶ月ごとに更新される」という記事をご紹介しました。
Mチップを、どの世代のAチップを基にして製造するのか…によって、Macそのものの魅力が異なってくることにもなりそうです。
そんな中…。
3nmプロセスチップ搭載機種やその性能に関する情報が来ています。
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3nmなのに対5nmで「15%」の性能アップ?
記事によると、
DigiTimesが業界関係者からの情報として、TSMCが2022年第4四半期(10月〜12月)に、3nmプロセスでの半導体生産を開始すると伝えた
ということです。
記事では、TSMCの3nmチップは、
〇iPhone15に搭載の「A17」
〇Mac用の「M3」
であると記しています。
ということは、生産を開始するのは2022年終盤ですが、Appleデバイスに実際に搭載されるのは2023年9月以降になるようですね。以前にも同様の記事がありましたので、それを補完する形となりました。
iPhone14に関しては、
「"Pro"には4nmプロセスチップ、"無印"には現行チップであるA15Bionicが継続して搭載される」
という噂が広がっています。
その次の世代にはいよいよ「3nm」搭載…となるのかもしれません。
3nmなのに対5nmで「15%」の性能アップ?
しかし、ここで気になることが…。
それは、3nmプロセスルールチップの性能に関して、
「iPhone12シリーズ用A13チップに用いられた5nmプロセスと比較し、同性能での消費電力改善率が30%に達し、同消費電力での性能向上率は15%になると予測されている」
と記されていることです。
ちょっと待ってくださいね。
「A13Bionic」に対して「15%」アップですか?
「5nm→4nm→3nm」と更に高精細化され、2世代の格差があるチップなのに、たった「15%」というのはかなり物足りないような気がするのですが…。
だったら、「A13→A14」の差はほんの一桁台?
実際の動作に関してはその性能差が分からないくらいのレベルなのではないでしょうか?
そして、Mac用のMチップも心配です。グラフィック性能に関してはGPUコアを増やして行く…という手があるかもしれませんが、CPU性能の伸びは期待できないということなのか?
個人的には、
「3nmプロセスチップでかなりの性能向上が見込める…」
と考えていただけに、今回の記事の内容が正しいのであれば、購入意欲にも左右しそうな事案ですね。