『珈琲店タレーランの事件簿7 悲しみの底に角砂糖を沈めて』が3月4日に発売!
継続して追っているライトノベル推理物として、「ビブリア古書堂シリーズ」と「喫茶店タレーランシリーズ」があります。
ビブリア古書堂シリーズは、筆者三上延さんの筆力もあり、単なるライトノベル物を超えた重みのような物が備わってきました。シリーズを重ねることで、栞子さんと大輔との関係性が深まり、扉子という子どもも生まれたことで、世代を超えた家族の話に昇華してきています。
対するタレーランシリーズも、純喫茶タレーランの女店主美星と常連客アオヤマがその関係性を深めながら謎解きをしていく…というお決まりの展開。
しかし、三上さんとタレーランの筆者である岡崎さんの筆力の差が、作品としての完成度の大きな開きとなって現れてしまっています。
全巻「6」の読了後の記事でも書きましたが、どうも岡崎さんには強引にストーリーを進めようとする悪癖があります。
「5」ではこのあたりがかなり改善されたのですが、「6」では逆戻り…という印象が強いです。
しかし、物語の設定や登場人物は非常に魅力的で、ありきたりでありながらも十分に魅力的。後は岡崎さんの書きぶり次第という印象が非常に強いので頑張ってもらいたい…と思いながらここまで前作を読んでいる次第です。
そんなタレーランシリーズ最新刊の発売が決まりました。
『珈琲店タレーランの事件簿7 悲しみの底に角砂糖を沈めて』が3月4日に発売です!
「本格推理」に振った短編集に…
楽天ブックスの説明ページには以下のような文言が…。
「220万部を突破する人気シリーズ「珈琲店タレーランの事件簿」2年ぶりの最新刊! 京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店《タレーラン》。バリスタの切間美星は、鋭い洞察力と推理力で、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていくーー。本書は、ビブリオバトル大会での事件、ハネムーンの悲劇など、4編を収録するミステリー短編集。そのほか掌編2編も収録した必読の一冊です」
どうやら短編集のようですね。
また、筆者である岡崎琢磨さんもTwitterで以下のようにつぶやいています。
本日、タレーラン7巻の再校ゲラを返送しました。これで無事に僕の手を離れ、予定通り3月頭に刊行できるかと思います。正式タイトルは『珈琲店タレーランの事件簿7 悲しみの底に角砂糖を沈めて』に決まりました。よろしくお願いいたします。
— 岡崎琢磨 (@okazakitakuma) January 28, 2022
タレーランシリーズの短編集といえば、「4」の「ブレイクは五種類のフレーバーで」が思い起こされます。
短編ですと、岡崎さんの悪癖であるストーリー上の強引さがでにくいこともあり、割とすっきりと読めた印象があります。
今回も、美星とアオヤマとの関係性や謎解きを純粋に楽しめるような展開を期待したいところです。
あっ、それから、ビブリアの続編もそろそろ読みたいなあ…。