Final Cut Pro X(v10.7)の爆速ぶりをご紹介
「Final Cut Pro X」が「10.7」にバージョンアップされ、これまでの課題であった「書き出し」が爆速化した…ということを前回お知らせしました。
それも、ちょっとやそっとの速度アップではなく、「4K・60P・10分」を「H.264」で書き出したところ、これまでのバージョンで「6分56秒」だったものが「3分09秒」まで短縮したのですから驚愕です!
前回もお伝えしたように、この「爆速ぶり」は、これまでまともに駆動していなかった「GPU」がようやく動くことになったことに由来することは明らかです。
何せ、これまでのFinal Cut Pro Xでは、GPUが「数%」しか駆動していなかったのですが、このたびバージョンアップで、最低でも「70%」程駆動するようにチューンアップされているようなのです!
以下、私のMac Studio(48CoreGPU)でのアクティビティモニタでの動作状況と、書き出し時間との関係をご紹介します。
①「4K・60P/10分」→H.264へ書き出し
・これまでのFinal Cut Pro X→「6分56秒」
・DaVinci Resolve18.6→「3分10秒」
・Final Cut Pro X10.7→「3分09秒」
書き出しがこれまでの2倍以上高速化。
これまでほとんど鈍さしていなかったGPUの「70%程」が駆動している!
ここではFinal Cut Pro XとDaVinci Resolveが互角の争いに!
②「4K・60P/10分」→H.265へ書き出し
・これまでのFinal Cut Pro X→「6分00秒」
・DaVinci Resolve18.6→「3分58秒」
・Final Cut Pro X10.7→「2分47秒」
GPUのモニタの右側の部分です。
75%程駆動しています。
H.264書き出しに比べてGPUがより活発に動いており、書き出し時間も「20秒以上」短縮されました。
DaVinci Resolveよりも70秒以上高速…ということになります。
③「8K・60P/10分」→H.264へ書き出し
・30分以上かかりそうでしたので、途中で計測中止。
全くもって実用的ではありません。
アクティビティモニタを見ると、CPUが驚異的に全員働いておりますが、GPUは半分程度。どうもH.264との相性はよくないようです。
④「8K・60P/10分」→H.265へ書き出し
・これまでのFinal Cut Pro X→未計測
・DaVinci Resolve→「5分25秒」
・Final Cut Pro X10.7→「5分01秒」
GPUのモニタの右側の部分です。
75%程駆動しています。
なんと、8K動画の書き出しでもDaVinci Resolveよりも高速であることが実証されました。
⑤「8K・60P/10分」→4K/H.265
へ書き出し
・これまでのFinal Cut Pro X→「8分18秒」
・DaVinci Resolve→「5分25秒」
・Final Cut Pro X10.7→「2分54秒」
GPUのモニタの右側の部分です。
80%以上程駆動しています。
8K→4Kに到っては、DaVinci Resolveをぶっちぎることに…。
「H.265」との相性が最高!
これまでダメダメだった「GPU」がしっかりと働くことで、Apple Siliconの本来の力が発揮できるようになったようです!
ただ、
「最初からこうしてくれよ!」
とは強く言っておきたいと思います。何せ、「純正」ですので!
また、明確になったのは、
「H.265(HEVC)」との相性のよさです。
DaVinci Resolveもこの傾向がありましたが、DaVinci Resolve以上にはっきりとした結果となって現れています。
現状、Windowsの環境ではHEVC未対応のままの端末も多い状態ですので、さらに新コーデックが浸透することを期待したいところではあります。
さて…。
懸念点であった書き出しが「DaVinci Resolve以上」という結果を伴って解消されました。
だとすれば…。
「Final Cut Pro Xへの再移行」ということになりそうです。
動画を頻繁に扱うわけではありませんので、すでにFinal Cut Pro Xの使い方も薄ぼんやりとなってしまっています。少しずつ復習していくことになりそうです。
何れにせよ、
「MacでApple純正のアプリを使える…」
という至極当然の状態になったことにほっとしています。