AVIOT「WA-J1」 音質ファーストインプレッション編
AVIOT「WA-J1」を購入し、レビューしております。
先日は「到着編」をお届けしました。

あまりにもチープな筐体の「WA-J1」でしたが、これで音質が素晴らしければすべてがチャラです。さあ、いざ音質チェック!
もはやAVIOTのハイブリッドには手を出しづらいな…
先日の記事にも書きましたが、「WA-J1」と同様のハイブリッドシステムで構成されたイヤホン「TE-ZX1」については、DEVIALET「GEMINI II」の勝利…ということで手放しております。
この「TE-ZX1」についての評価としては、以下のようにまとめました。
◎音場は広い。「FALCON MAX」も特に横方向に広かったが、「TE-ZX1」はそれ以上。奥行き感もFALCON MAX以上で、これまでのワイヤレスの範疇を明らかに超えている。
◎一つ一つの音が非常に明確に聴こえる。FALCON MAXでも驚いた点だが、それ以上解析性か?
◎中音域を支える「平面磁気駆動型ドライバー」が優秀で、鮮明に聴こえる。定位もしっかりとしており、ボーカルものも気持ちよく聴くことができる。
△「平面磁気駆動型ドライバー1基、バランスドアーマチュアドライバー3基、ダイナミックドライバー1基の、3種5基からなる新開発ドライバーシステム“トライブリッド5ドライバー”システム」というシステムが有効に機能していない。
×特に低音のキレがなく、だぶついて聴こえる。これが全てをダメにしている印象。FALCON MAXのキレがあり全体を締めてくれる低音、 GEMINI IIの全てを包み込む深く艶のある低音と比べてしまうと、「やはり音楽には低音が重要なのだ(量がどうこうという問題ではなく、良質な低音)」ということを再認識させられる。
×低・中・高音の音の繫がりがスムーズでない。マルチドライバーで最も注意しなくてはならない点をクリアしていない印象。
△魅力的な中音域だが、GEMINI IIと比較すると艶、せり出し感とも足りていない。単独では優秀だが…ライバルと比較すると…。
△高音が目立たない。BAドライバーを3基搭載しているはずだが、特徴的な高音とはなっていない(悪くはないのだが…)。
×全域で音の「キレ」がない。「なんとなく」鳴っている印象。他機種に比べると、スピード感が全く足りておらず、鈍重な印象。
×根本的に音質が「ドライ」。聴いていて心に響かない。
×「キレ」にも関連してくるが、解像感の高さを感じない。解像感そのものはあるのだが、音のエッジが立っていないために輪郭が滲んでいる印象。
×全体的に「艶」「響き」が感じられないため、音に厚みが感じられない。いや、本来音の厚みはあり、絶対的なポテンシャルは抜群の機種に感じるが、それを引き出すチューニングになっていない。GEMINI IIの圧倒的な音の厚みを聴いてしまうと、別次元と感じてしまう。
そして…。
非常に残念なことに、「WA-J1」も同様な印象です。私にとっては、AVIOTのハイブリッドシステムは、「イヤホンだから、ヘッドホンだから…」という範疇ではなく、音傾向が全く合わなかった…ということのようです。
(※この手のレビューをする度に申し上げますが、これらの印象は私個人のもので、絶対的なものではないことは再度お伝えさせていただきます)
また、更なる問題点は、
「TE-ZX1」よりも印象が悪い
ということですね。
なかなかに衝撃的なお話です。

以下、Bowers & Wilkins「Px7 S3」と比較すると…。
○音場は広い。というか、「Px7 S3」のレビューでも書いたが、Px7 S3は音場が狭いのに何故かそれがマイナスに感じない不思議な機種。それだけPx7 S3の音質の素性やBowers & Wilkinsの音作りが優れている…ということだと考える。
○「Px7 S3」は、音が耳から近い場所で鳴る方が好み…という私からしてもかなり近くで音が鳴る印象だが、「WA-J1」は理想的な距離感に感じる。
○聴き疲れはしない。
×低音の深みがなく、軽い印象。「TE-ZX1」からの成長が感じられない。艶のようなものも無いため、心に響く音楽になっていない。
×理想的な「音場」「距離感」で鳴る「WA-J1」だが、低・中・高音域のすべてで、「いい音が耳に届く感覚」に浸れない。遠くで鳴っているだけ…という惨憺たる状態。
×これもAVIOTのハイブリッドシステムの弱点と考えるが、各音域がバラバラに聴こえる。音がひとつに統合されていない…とでも言うか…。「Px7 S3」は、近すぎるくらい近い場所で鳴っている印象を受けるが、音がひとつに整っている印象を受ける。
×解像感が感じられない。遠くで音がバラバラに鳴っている印象が強い原因のひとつか? 普通のヘッドホンであれば、どこか光る音域があるのだが、この機種はどこにも優れた音域が存在しないような印象を受ける。
×アコースティックのような音数の少ないものであればそこそこ聴けるが、ポップスのような多様な音が鳴る音楽を聴くと、「騒然としている」という印象になってしまう。
ごめんなさい…。私には無理でした。
こんなに混沌とする音はなかなか経験が無いほどなので、よっぽど私の耳には合っていなかったのだと思われます。
「WA-J1」の後で「Px7 S3」を聴くと、主張し過ぎるほどの音が耳に波のように訪れます。それぞれの音域が見事に鳴っているのに、決して破綻しない音。
解像度も高く、情報量も豊富。これで音場が広く、もう少し耳から離れた場所で鳴ってくれたら…とは思いますが、とにかく素晴らしい音を響かせてくれるのが「Px7 S3」です。

また、やや聴き疲れを感じた場合は、「GEMINI II」の広大な音場と響き渡る上質な低音を楽しむことができます。「Px7 S3」と「GEMINI II」の二刀流はやはりいい!
その後ろには「iBasso DX300Max + ゼンハイザー IE900」も控えています。
個人的には、
「もうAVIOTのハイブリッドシステムはいいかな…」
と感じた今回の音質チェックでした。
「WA-J1」にはかなり厳しい評価となってしまいましたが、これが私にとっての真実なので致し方ありません。
「合う」「合わない」の最悪を引いてしまったのかな?